京都のホームインスペクター 

ホームインスペクション(住宅診断)のブログ

シロアリに弱い住宅と強い住宅

業務で町家や古民家のリノベーションを行っていて気付くことは

建物の状態はその状況によってさまざまということです。

 

弊社で改修設計を手がけた古民家改修工事中の現場で羽アリが出たことがあります。

今回はその話しをしたいと思います。

 

この家は築50年をこえる木造建築です。

事前調査の結果、元は土壁の伝統工法でつくられていて、過去に1度大きな増築工事を行っていことがわかりました。

 

私たちの改修計画は建物の痛んでいるところを撤去して健全な状態に改修します。

床をはがし、天井を落とし、壁を抜き、スケルトンに近い状態にしました。

 

内装を解体した状況では木造躯体にはアリに食われた箇所は見受けられませんでした。 

ところがある日、数百匹の羽アリが出ました。

専門家に依頼し、どこからアリがでたのか隅々まで調査したところ

外壁につかわれている土壁の中にいて、その中の竹やワラを食っているようでした

不思議な事に木の柱や梁、その他の下地材は食われていませんでした。

 

調査したシロアリの専門家にとってもかなりのレアケースのようでした。

専門家によると躯体が食われない理由は

 

「乾燥した状態にある」

 

ことが重要なことのようです。

 

乾燥した状態を保つため、建物は

 

•壁面が雨に濡れないように軒が出ている

•基礎に床下換気口が効果的に設けてあり床下が乾燥している

•使用木材が良く乾燥している

 

以上の3点が大切で、アリがいたとしても建物の躯体が食われずに済むということです。

 今回の住宅は特別な手法が取られているわけではないですが、上記3点がすべて当てはまるシロアリに強い家といえるでしょう。

 

アリの対処として床下全範囲とアリの巣があるとみられる土壁に薬剤を塗布注入することにしました。

 

気になる方は皆さんも上記の3点を参考にお家の状態を見てください。

 

木材は仕上げ材に隠れていて見えない事が多いですが、

ユニットバスにある天井点検口、キッチンの床にある床下収納庫を外して中をのぞいてみてみると木の状態が見る事ができます。

 

専門家に聞くと築30年程度の家にシロアリ被害が多いと聞きました。

それは建物の工法に関係していて、床下換気が不十分なことが多いとのことです。

床下がジメジメした状態なので、アリの被害に合いやすい環境をつくっているようです。

 

築30年というと、建築基準法の新耐震設計に切り替わったころの建物です。

当然、基礎も強度を求めら、基礎に開ける開口の大きさに制限が加えられました。

(基礎の構造により床下換気口の設置を義務付けています)

 

強度を求めたことにより、床下換気口が効果的に設置されていない住宅が出来てしまったことは否めないと思います。

 

耐震強度を取るか、シロアリに強くするか、この2点を対抗軸にするのではなく、

耐震強度を十分みたしながら、アリにも強い住宅をつくることは十分可能です。

 

新築を設計するときも、中古住宅のインスペクションを行うときも、住宅の状況から将来起こりうるリスクを事前に把握し、そのリスクを回避する手だてを講じることが、建物を長く使うためにも大切になります

 

是非、既存建築の状態を診断できるホームインスペクターに依頼してくだい!

 

 

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