断熱診断サービスはじめました
II 断熱診断サービスはじめました
梅雨も開けて、真夏の陽気が続いていますがいかがでしょうか?
少しづつですが、ホームインスペクションの問合せも増えてきています。
問合せを頂く中で最近、中古物件の断熱性能について関心がある方が増えてきたという印象です。
*断熱性能の特定方法
新築物件であれば、使用する建材の性能と建材構成によって、壁、屋根、床各部の断熱性能を数値で出すことができます。
一方、中古物件の場合は、図面があれば図面から外壁や床下、屋根の断熱性能をある程度予測することができます。 図面と施工の仕様が一致していれば、概ね正確に出すことができます。
*図面がない物件の断熱性能特定
一方、図面が無い場合はどうでしょうか?
床下、屋根裏を覗くことができる範囲は断熱材の有無や仕様を診断する事ができます。
しかし、外壁内部等目視できない範囲の断熱材は診断することができません。 そして、断熱性能特定の精度は低くなります。 実はインスペクションの現場ではこのパターンが一番多いです。
図面が無く、点検口が無い場合や外壁内部はどうする?
この場合は、築年数からさかのぼり、当時の省エネ基準から断熱材の有無を想定するしかありませんでした。
「目視出来ていないので、はっきりとした事は言えません」と前置きしたうえで、
「断熱性能は期待できないですよ」
とご説明していました。
*住宅省エネ性能も物件購入判断のひとつ
ホームインスペクションは一次診断という位置付けです。 詳細診断は実際に改修計画、改修設計時に行う事になります。 その場合、詳細診断は破壊を伴う事もあり、物件を購入してからになります。
インスペクション依頼者の方は断熱性能に対する意識が高い方が多いです。そして、断熱性能が物件を選ぶ基準に考えている方もいます。
それは、空調にかかるランニングコストは毎月の電気代という見えない物件費用として跳ね返ってくるからです。 たとえ物件が安くても、空調費が大きくなればランニングコストが大きくなり、ライフサイクルコストが逆転する事もあります。
*断熱診断はじめます
もっと 詳しく物件の断熱性能を知りたい依頼者向けに、なんとか客観的な判断ができないかと思い、サーモカメラと非接触放射温度計を使った断熱診断をホームインスペクションサービスに加えました。
とある住宅の2階天井(屋根)の断熱を見てみましょう。
2階の天井は屋根型なりの勾配天井で屋根裏が無い住宅で、屋根の断熱性能を目視できません。
左図:サーモカメラの画像 右図:実際の写真
実際の写真では分からない屋根内部の仕様を教えてくれています。
サーモカメラは赤が表面温度が高く、青が温度が低いことを示しています。
屋根下地の垂木の間に断熱材が入っていないので、垂木間の表面温度が高くなってるのがわかります。
結論でいうと、この住宅の断熱性能は低いと診断することができます。
梁や垂木などの木材は断熱材よりも断熱性能が劣るので、現在の新築住宅はこの色が逆転します。
写真:放射温度計による壁面表面温度測定
建物の外壁と内壁の表面温度を測定することでも断熱性能を測ることができます。
断熱診断をご希望される依頼者の方がオプションサービスとして追加できるようにしたいと思います。
ホームインスペクションのご依頼はメールフォームからお願いします。