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地震保険は入るべきか!?

I地震保険について考える

大阪府北部地震では2018年6月18日朝、震度6強の地震があり、大阪府を中心に京都府奈良県を含めると約30,000棟の建物が損傷を受けました。そのほとんどが建物の一部に損害がある『一部損』と言われています。

今回、地震保険について考える時、被害状況の確認方法、自治体の罹災(りさい)証明と何が異なるのか、入っておいたほうが得なのかどうかを確認したいと思います。

 

罹災証明証

災害対策基本法により、地震や台風等の災害により被災した被災者生活支援を目的に被災の程度に応じて支援金が国から支給されます。

住宅の場合はお住まいの市町村などの自治体が罹災証明証を発行します。災害に起因して建物被害(全壊,大規模半壊,半壊等)があったことを証明するもので、調査は自治体職員が現地調査を実施します。

 

地震保険

一方で地震保険は火災保険同様に損害保険会社の地震保険がありますが、その保障内容は国の地震保険に関する法律』に沿って運用されていて、火災保険と異なり損害保険会社で大きな違いは無いようです。地震保険は火災保険とセットで契約することになっていて、地震保険金額は火災保険金額の30%-50%の範囲で建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限となっています。

損害保険会社調査員(保険会社社員、損保鑑定会社鑑定人、建築士等)が建物、家財の損害調査(全損、大半損、小半損、一部損)(4区分の場合)を実施して支払い保険金額を算出します。

 

 区 分  被害程度   支払保険金

◯全 損  50%以上    保険金額の100%

◯大半損  40-50%   保険金額の60%

◯小半損  20%-40%  保険金額の30%

◯一部損  3%-20%    保険金額の5%

◯無 責  0%-3%          0%

地震保険制度の概要 : 財務省

 

地震保険のしくみ

地震保険建物と家財を対象としている火災保険とセットで契約します。地震保険単独では契約できないようなので気をつけたいですね。地震保険に入っていないと思っていも火災保険に自動的に付帯している可能性もあるので、火災保険の内容をよくご確認ください。

 

建物被害の認定(地震保険)について

地震で建物に被害があった場合、どこを調査するのか気になると思います。建物の場合構造種別毎に主要構造部と言われる部分をチェックします。

例:木造在来軸組工法2階建ての場合・・・・・基礎、外壁、屋根

例:木造枠組工法の場合・・・・・基礎、外壁、内壁、屋根

例:鉄骨造の場合・・・・・外壁、開口部

例:鉄筋コンクリート造の場合・・・・・柱、梁、耐震壁など

混構造はそれぞれの構造で被害を算出し、再取得額で按分して被害を算出します。

ここで注意が必要なのは損傷の確認範囲は建物の主要構造部であって、それ以外は被害があっても被害として評価しない点です。例えば、風呂場のタイルや部屋内のボード壁、床の損傷があっても被害としては見られない点です。

 

家財被害の認定(地震保険)について

 家財は日用品、家電、家具類、身回品といった項目毎に被害状況を確認します。被害のあった数や額ではなく、項目数によって被害の大小が決まります。例えば、食器が1万円のお皿が10枚割れても、100円のお皿が1枚割れても被害の程度は同じで『食器』の被害とみなします。

 

大阪北部地震ほとんどが一部損か無責

 今回の地震で私は50件ほどの住宅や集合住宅を見て調査しました。そのうちの90%以上は被害が3%-20%の『一部損』でした。中には『小半損』や『大半損』もありましが、『全損』はありませんでした。小半損・大半損になった建物は築年数も古く旧耐震時代の建物が多く、築浅や新耐震基準の建物はほぼ無責。被害があっても小半損でした。実際、私が調査した建物で生活出来ない程度の被害はありませんでした。あと、地盤の良し悪しが大きく建物状況にも現れていました。造成地で斜面地や盛土の上に建てられた住宅は被害が大きくなる傾向が見られました。

 

支払われる地震保険金は補修費用じゃない

 地震保険の保険金は建物の再建や補修のための費用ではなく生活の安定のために受け取る見舞金的な位置づけです。そのため目で見える被害状況や修理に係る費用の割に払われる保険金額が少ないというケースがほとんどかと思います。

地震保険制度の概要 : 財務省

 

地震保険に入るべきか

 『地震保険に入るべきかどうか』を私的にまとめます。あくまで私的なまとめなので参考程度にしてください。

持家(一戸建)・(2000年以降築)の場合・・・地震保険(建物)は無し。家財を充実させる

持家(一戸建)・(1980-2000年築)の場合・・・地震保険(建物)は有り。家財も充実させる

持家(一戸建)・(1980以前築)の場合・・・地震保険(建物)は有り。家財も充実させる

持家(共同住宅区分所有)の場合・・・・・・地震保険(建物)は無し。家財を充実させる

賃貸(共同住宅・一戸建て)の場合・・・・・・地震保険(建物)は無し。家財を充実させる

持家(共同住宅大家さん)の場合・・・地震保険(建物)は有り。家財不要

 建物に損害が出るほどの地震は数十年に一度有るかないかです。このリスク頻度、起こりうる建物・家財被害の程度と支払われる地震保険金に対し、毎年支払う保険料が見合うかどうかを見定めました。マンションの場合は損害認定を受ける主要構造部は原則共用部に含まれ、専有部分は地震保険対象外になるかと思われます。賃貸の場合の借り主は家財のみ心配してください。持ち主は建物を心配してください。

地震が起こりうるリスクに比べると台風や集中豪雨による風災・水災による被害リスクのほうが格段に高まっています。

ので、私的には地盤が良い地域耐震性能の高い建物に住み、建物地震保険(建物)は無しにして(家財)は入り、火災保険を多く掛けておいたほうが安心します。

 

皆様の保険料見直しの参考になればと思います!

 

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