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木造住宅耐震化へ向けて1【再掲】

II木造住宅耐震化へ向けて1

 

先日、国土交通省指定の講習会

「木造住宅の耐震診断と補強方法」

を受講してきました。

 

内容は木造住宅の「耐震診断」と「耐震改修設計」

です。

耐震診断の実務専門的な内容で、受講者は建築設計に関わっている方がほとんどでした。

 

住宅の耐震化率を79%→90%へ

先の東日本大震災は記憶に新しいですが、

近い将来、宮城県沖、東海、東南海•南海地震などの大地震がいつ来てもおかしくないと言われています。

 

今まで震度6を超える大地震では多くの木造住宅が倒壊し、多くの命が奪われてきました。

住宅の耐震化率は79%です。

想像よりも耐震化率が高いと感じたでしょうか。

それでも耐震性無しとされる住宅は全国で約1,050万戸もあります。(平成20年)

そのうち木造が約90万戸鉄筋コンクリート造、鉄骨造等が10.5万戸です。

 

国土交通省では平成27年までに耐震化を少なくとも90%を目標にしています。

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出展 国土交通省 住宅の耐震化の進捗について

 

 

住宅の耐震改修工事率はわずか4%

耐震診断を受けても耐震改修の工事をしない場合がほとんどで、耐震改修はあまり進んでいません。

京都府のデータでは耐震改修工事を行った数は耐震診断数のわずか4%程度。(診断6,552件中991件)

 耐震診断の結果、耐震改修工事不要と判定された数もあるので、一概には言えませんが、耐震改修工事を行う数が極わずかだということです。

 

 なぜ耐震化が進まない?本当の理由は•

その理由のひとつは、

工事コスト

 

耐震改修工事に平均200万円程度かかるといわれています。

その工事費が負担出来ずに耐震改修工事に踏み込めない。

もしくは、耐震改修が必要な住宅は1981年以前に建てられた住宅がほとんどで築30年以上経っています。

改修工事に数百万円かけるのであれば建替えを選ぶ方もいます。

 

国交省のデータでは平成15年から20年の間に100万戸耐震化が進みました。

しかし、そのほとんどは「建替え」によるものでした。

  

それなら、お金があれば耐震化が進むか?といえばそうでもないようです。

とあるアンケートで

「数百万円あった場合お金を何につかいますか?」

という問いに対し、多かった回答は車の購入や旅行などの消費で、

自宅の耐震改修はとても少なかったそうです。

 

つまり、耐震化が進まないい一番の原因は

住民の耐震に対する意識が低いこと

が原因なのです。

 

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「耐震性があると思っている。」「自分のところは大丈夫だろう。」と考えがちです。

もしくは、「心配なんだけどもよく分からない。」「誰に相談すれば良いか分からない。」ということもあると思います。

少し意識をするだけでも結果が違います。

 

下記のリンクは誰でもとても簡単に簡易耐震診断ができます。

誰でもできるわが家の耐震診断一般社団法人日本建築防災協会

 

また、自治体で地震の被害想定やハザードマップを提供しています

京都市による地震被害想定

 

住宅の状態を正しく知る事が自分の命を守る一番の方法かもしれません。

そして専門家は、もっと社会全体で住宅の耐震化について広く周知する活動が大切と感じました。

私も 建築設計が本業ですが、今後耐震診断、耐震改修設計も進めていきたいと思います。

 

次回は耐震改修促進に向けて国や自治体が行っている補助を説明します。

 

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